2014年1月28日火曜日

海外の日本語学習用教材の分析 - 韓国編

こんにちは!

インフルエンザやノロウイルスが巷で大流行しています
怖いですね…

手洗い・うがいなど、自分でできる予防は徹底的にしなくてはですね!





今回の記事ですが
大学院の授業で取り組んだ課題の一つを紹介したいと思います

新ブログでは、大学院で学んでいることをいくつか
わずかながらでも更新していきます




今回ご紹介するのは
<海外の日本語学習用教材の分析>
です

海外で使われている日本語教材(主に教科書)の内容や構成を分析し
それに対する考察や意見を発表し、討論します

今回は、Azuと同じく韓国に留学経験を持つ方とペアを組み
「韓国の日本語教科書」について多角的に分析することにしました

実際に海外で使われている日本語の教材を扱うので
「実物」を手に入れなくてはなりません

でも、一般の書店では手に入らない…

そこで、埼玉県・浦和市にある
国際交流基金の日本語国際センターへ行ってきました

 こちらのセンターには図書室が設けられており
日本語教育・日本語学に関する書籍は勿論
海外で使用されている日本語教材なども置かれています

利用は、何らかの形で日本語教育に携わっている人が対象です
日本語教師だとか、日本語教育専攻だとか…
なので、一般の方でも・誰でも利用可能というわけではありません

利用者登録をすれば本の貸し出し利用もできるので
日本語教育に関わっている人は重宝すると思いますよ♪

こちらが借りてきた教科書です
書籍の貸し出しは5冊までのため、ぎりぎり5冊利用しました

上の2冊は、同じ教科書で中学生用と一般の学習者用です
下の3冊は、全て高校で使う教科書で、出版会社が異なります

2人でペアになっての共同発表だったので
Azuは高校の教科書・3社をそれぞれ比較することにしました

たまたま同じ言語機能(勧誘)を学ぶ課が3冊全てにあったので
その課の構成や内容を分析しました
写真は、発表用のPPTを作っているところです

著作権に関わる可能性もあるので中身自体はお見せできませんが
以下のような考察・発表ができました




①まえがきに見る学習目標
21世紀をグローバル時代・情報化時代と意識し、国家間の相互理解が必要であり
そのためには言語や文化の理解を促進すべき





















②構成と内容
言語学習の中で文化面も学習できるようにしている
同じ言語機能を学ぶ課でも、使用する文体に特徴があり固定されている


③課の流れと活動
比較的平易な技能から始まり、徐々にレベルアップしていく
(導入→聞く→話す→読む→書く→その他)

全く別の出版会社にも関わらず、目標や課の進み方がほぼ同じことには驚きました
一方、同じ言語機能を学ぶにしても、表現形式はあまり多様でないことも分かりました



また、ペアの方は学習対象者ごとの比較でまとめてもらいましたが
中学生用の学習教材は絵や図も使っており、会話の練習も取り入れられていますが
一般学習者用の教材は、韓国語による解説も多く、典型的な知識・文型積み上げ式の内容でした

どこで、だれが、どのように学ぶかによって教材の是非は問われますが
一口に「日本語の教科書」といってもこんな特徴が見えてくるのかと
様々な教科書の比較を通して考えることできました



この授業では、学期の前半に「コミュニケーション教育」について考えていました
自然なコミュニケーションとは、効果的なコミュニケーション教育とは
テキストを読んだり、論文を読んだりしましたが、なかなか答えは出ません

来週以降は別の国の教材も発表されるので
その内容も楽しみにしながら「教材」と「教育」について考えてみたいと思います




最後に、この発表にあたって教授から紹介して頂いた文献を記しておきます
ご興味のある方、是非一読されてみては?

参考文献

大塚 薫(2011
「中等教育の日本語教科書における日本文化事情教材の開発韓国の中学校検定教科書の作成を通して
『高知大学留学生教育』6, 51-72

Lee Hyunjung2009
「韓国の教育課程と年少者日本語教育の現状と課題」
『沖縄国際大学外国語研究』13(1), 中扉1,13-27

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